ユーロ/円相場は、1ユーロ=130~132円のレンジで方向性に乏しい展開になっている。ドル/円相場の軟化を受けて、7月31日の取引では一時129.34円を付けた。ただ、その後はリスクオンの地合を背景に改めてユーロ買い・円売りを仕掛ける動きも強く、総じて前週のレンジを踏襲する展開になっている。ユーロ/ドル相場にも特に目立った動きは見られなかった。
8月1日に欧州中央銀行(ECB)理事会が開催されたが、ドラギ総裁は短期金融市場にみられる利上げ予想には「根拠がない」と指摘して、低金利政策の長期化見通しを再確認した。特に期間や数値目標などの導入は行われていないが、7月に導入したフォワードガイダンスの文言を踏襲しており、改めてユーロ圏の金利上昇、ユーロ高をけん制する動きを見せた。これは、日本銀行の量的緩和政策のインパクトを相対的に限定することになり、ユーロ/円相場に対してはネガティブな動きと評価できる。また、7月31日に発表された6月ユーロ圏失業率が12.1%と高止まりしてこと、8月5日に発表された6月小売売上高指数が前月比-0.5%に留まったことなども、ユーロ圏経済の下振れリスクを印象付ける。
ただ、対ドルでの円売り圧力が限定される中、ユーロ/円も総じて底固い展開を想定している。米連邦公開市場委員会(FOMC)、7月米雇用統計はともに米金利低下・ドル安を支援する内容になったが、それにもかかわらずドル/円相場の底固さが確認されたことが、ユーロ/円相場も支援しよう。今週は欧州サイドに材料が乏しく、ドル/円相場との連動性が重視され易いとみている。欧州債市場にも特に目立った変化はみられない。
テクニカルでは一目均衡表の雲でサポートされており、129.39円が支持線になる。ターゲットは、7月24日高値の132.74円。サイコロジカルは、前週の7勝5敗から6勝6敗へ。14日RSIは48.94。
今後1週間の予想レンジは、129.00~132.00円。